今日私は死にました



ていうかこの辺にビジネスホテルなんてある?



完全に住宅街でそれらしき建物と言えば昔からありますというようなラブホテルだけ。



すっかり日は落ちて灯りは外灯だけの道をまたダラダラ歩く。
やっぱり運動もしていないのに急にこんなに歩くと足の裏や太もも、お尻まで痛い。



休憩したばかりだが、何処かのお店で軽食でも食べてタクシーでビジネスホテルに泊まろうと決めた。なんとも贅沢な浮浪者だ。



お金だって毎日こんなことを続けていたら完全に底を尽きるだろうが、不思議とお金の心配はそこまでしていない。



無くなったらそれまでだ。



有っても意味が無い。



フラフラ歩いていると喫茶店らしい店を見つけ、ドアを開けると逆の意味で見かけ倒しのなんともインテリチックなイタリア料理店に入ってしまった。



そこまで広くないが、壁や天井も少しレトロにお洒落に内装され、オレンジ色のライトが少し抑えながら設置されている。BOX席が四つと窓際に設置されたカウンター席。




愛想の良い年配のおばさんがいらっしゃいませと出迎えてくれる。お客が見当たらないので




「まだ大丈夫ですか?」



と、店の営業時間を気にしたらおばさんはニッコリ笑って大丈夫ですよと少し大きいバックを気にかけてくれたのか、BOX席に案内してくれた。



なんとなく珈琲の豆の香りをふわりと漂わせ、お洒落ながらも落ち着く空間に疲れた身体が癒やされていくようだ。




下手をしたらこのまま寝てしまいそうな程、壁にくっついている長椅子で壁に寄りかかりフーッと身体を委ねる。




疲れたな……。




でも明日も同じように動いて、一日が終わるのだろう。
初日だからこんなに疲れるのか、どっちにしたって明日もすることは無い。



おばさんが持ってきた氷が入ったお水を一口飲んで、さっきまでカラカラに乾いた喉を潤す。




お水が美味しい。




お水だけで満足しかけたが、流石にそれは店側に失礼なので注文することにした。
メニューを見るとトマトクリームのペンネをハーフサイズで頼み、紅茶を食後に頼んだ。




むしろサラダだけで良かったけどね。



特にすることも無く、ただテーブルの模様をじっと見ていた。