「うん…うん……、まぁ大丈夫かな。敷金でなんとかなるよ。綺麗にしてたみたいだし。」
「はい。長い間お世話になりました。」
部屋の最終確認をしてもらい、鍵を渡して大家さんと一緒に部屋を出てこのアパートを出た。
「……お姉さん、次住むところあるの?」
「やだな、有るから出るに決まってるじゃない。もう~。」
「あ……あぁ、そうか。すまんすまん。」
優ちゃんが何と言って解約をしたのか知らないけど、大家さんが心配そうに私に声をかけてくれる。
その心遣いが少し嬉しくて、明るく笑顔で大家さんを安心させた。
深々と頭を下げて別れを告げ、とりあえず行く場所は決まっていないのでひとまず駅に向かって切符を買う。
行き先は、
彼が住んでいる街へ、片道切符。
自分の街にはもう戻らないだろう。



