行為が終わってソファで横になる私に、ソファの下でタバコを吸う雅巳君。
きっと普通のカップルって行為が終わってもまだじゃれあったり余韻に浸ったりするだろうけど、雅巳君は直ぐに服を着て甘い言葉をかけるわけでもなくいつも通りの雰囲気でいる。
後ろ姿の雅巳君の頭をチョンとつつくも、反応は何もなくそれどころか、
「止めてくれる?面倒臭い。」
「………………うん。」
「傷ついた?だから言ったじゃん。惨めな想いも後悔するのもルイだよって。これ以上の事を期待しているなら今すぐそんな浅はかな感情は棄てた方が良いよ。」
いつも通りの雅巳君。
セックスをしたから変わるなんて思っていないから大丈夫だよって言ったら強がってるように見えるかな?
理性も何もない行為の最中の言葉なんて流れなのはわかっている。
傷つくのは想定内だよ。わかってて抱かれたんだ。
「さてと……僕もう仕事に行くよ。一応薬は持ってきてるけどいる?いるなら袋ごと置いていくけど。」
「……貰っていくわ。」
「…………もう目を醒ましても都合良くいると思わないでね。」
「わかってる。」
袋に入った安定剤の薬は一度雅巳君は車に取りに行き、玄関で手渡しされた。
「会いたいと思ったら飛んで来てくれる?」
「ルイが死にたいと思った時の方が来るのは早いかもね。」
そうだね。
その時が来るのはもうカウントダウンが始まっているのは、私も雅巳君もわかってるよね。



