「惨めな想いも後悔しても知らないよ。」
「それを決めるのは雅巳君じゃない、私よ。」
その瞬間、彼は激しいキスを私にしてきた。何度も顔を左右に動かしながら少し離れて吐息を唇にかけ、また唇を重ねる。
私は彼に完全に身体を委ねていた。
優ちゃんのキスは好きだった。あんなにキスの相性が合う人なんて居ないと思っていたのに。
雅巳君のキスは、優ちゃんのキスなんて思い出さないような激しいながらも優しい唇の感触、なぞる舌の動き。
上からゆっくりと下がる手、ソファの狭い場所で私達は服を脱ぎ、彼の白い裸を窓から差す夕陽の光で照らされるのを火照った顔で何度も見る。
「…………。」
「ルイ……我慢しないで。して欲しいことを言って?」
重なりながらも彼が少し汗ばんだ身体でその言葉を言ってくれる。
して欲しいことなど何もない。こうしてること以外に何をされたいと思える?何もないよ。
これ以上何を求めて良いと言うの?
「幸せで……ごめんね……。」
私の上にいる雅巳君に腕を伸ばして彼の首回りを抱き締めた。
その言葉の彼の返事は意外なものだった。
「幸せなのは……僕だよ。」



