「やっぱり写真の男が来たの?僕の予想通りだね。どう応えるかはルイの自由だから僕の意見は求めないでね。後悔して僕のせいにされても困るから。」
「戻る気は本当に無いよ。あんな人だと思わなかったから。」
ひとまず落ち着いて彼と並んでソファに座ってさっきまでの経緯を話す。
足を組む雅巳君の手を、私はずっと握っていた。
出来れば優ちゃんを愛してるフリをして雅巳君といるつもりだったのに、嫌すぎて倒れてる所を見られたくらいなら下手な芝居はしない方が良い。
「ただ……この部屋は優ちゃんがずっと支払をしてくれてたから。私きっと今月中に家から出なきゃ……。」
「ルイの名義で新しく此処を借りたら?」
「無理だよ、それこそ全て払っても長くは此処に居られない。」
「長くいるつもり?」
「あ、いや。……そうだよね。」
雅巳君といられるあの理由はどうしても消えない、この理由で私と雅巳君は繋がっているんだから。
「約束……実行する時が近いってことだね。」
私が握っていた手をギュッと強く握り返した。
その強く握られた手は胸の痛みと同じくらい痛かった。



