お風呂から上がり、彼にバスタオルを渡すと自分より私の身体を拭いてくれる。



「ルイの裸はもう見られないかもしれないから目に焼き付くためだよ。優しさなんて思わないでね。」


「じゃあ私も吹いてあげる。雅巳君の白い肌が私が最期に見る男性の身体だから。」



「嘘つき。」



「嘘つきじゃないよ。」



「ルイは僕から離れてまた新しい人を求めに歩いて行けるよ。君の背中を抱き締めた時にそう感じたよ。」







そんなことないよ。



貴方以外、誰を求めると言うの?



ダメだよ、そんな目をしたら。



貴方の目は何もかも拒絶してる目と最初から気付いていた。



私は雅巳君を裏切ったりなんかしないから。








「雅巳君は私の居場所なの。」




バスタオル越しに彼を抱き締めてしまった。




「……………っ。」




「止めてくれよっ!!そういうことが嫌いと言ったじゃないか。」








彼の見たこともない取り乱した姿を、吹いてあげたバスタオルが落ちて拾いながらやってしまったと後悔する。



そうだよね、そんなことを言うなんて貴方の周りの女の人と同じだろうね。




「ごめんなさい。そんなつもりじゃないから……風邪引くよ。」




その場から居なくなった私は泣くのを堪えて部屋着のある部屋でバスタオルを羽織ってうずくまる。




嫌われることはもう沢山なのに。




我慢出来ない、君を必要とする想い。




愛とか恋とかそんな言葉では言い尽くせない私の希望と支えの雅巳君。その答えが【居場所】という重い言葉で彼を困らせた。




どうか嫌いにならないで。