「ねぇルイ、お腹空いた。何か作ってよ。」
「え、あ、そうだね?あ、でも材料無いから買ってくるね。」
「買ってくるね、じゃないでしょ。材料無いから一緒に買いに行こうでしょ?気が利かないね。」
そっちの台詞の方が気が利かないイメージがあるが、雅巳君は最初に着ていた服に履き替え、私も慌てて洗面所に行って外に出る支度をする。
「近い?車出す?」
「歩いて5分程度だよ。」
「んじゃ歩いて行きますか。」
一緒に玄関に向かい、彼が靴を履くのを待つ。時おり香る彼の香水が、ある意味現実に戻される。
他人が此処にいて、他人と一緒に行動してるんだと、嗅いだことのないキツい匂いにハッと目が醒める。
いつまでも
こんな時間が続くわけないと、彼の香水から警告されているかのように。



