「じゃーーん。」
よりによって可愛らしい薄いピンクのTシャツを選ぶ雅巳君。腕が見えて肌の白さが一層目立つその姿に透明感を覚える。
「似合う似合う。」
まるで弟のようにあやす感覚で痩せる前に着ていたTシャツを、少し小さく着る雅巳君を見て気持ちがなんとなく落ち着く。
彼はソファに座ってタバコをまた手に取りテレビを勝手につけては、まるで最初からここの住人かのようにくつろぐ。
「遠慮無しね。」
「遠慮してるよ?触れちゃいけないモノには触れていない。」
「そんなのあった?」
雅巳君はTシャツがあった部屋にまた戻り、何かを持って私に見せた。
「捨てないの?」
彼が持ってきたのは、
優ちゃんが着ていた部屋着、一緒に写っていた写真だった。
隠してたつもりは無いが、いざ雅巳君にそれを指摘されると無性に恥ずかしくなる。
「……捨ててもあっても同じだから。」
きっと自分の中で精一杯の言い訳。
雅巳君は捨ててもあっても同じなら不要品と同じじゃんと元の位置に戻してまたソファに座った。
胃に悪いのは、私じゃなく雅巳君のせいだ。



