~可憐side~

・・・


ふと目が覚める。

「ん?もう9時?」

部屋に置かれていた時計を見た。
午前8時30分。

朝のあの会話からまだ1時間半しかたってない。
確か9時に起きる予定だった。

ちょっと早いけどあと30分で9時だし起きるか。
というか・・・早くこの部屋から出たい。
ここは壁も床も真っ白。
病院にいるようで気分が悪くなってくる。

ドアを開けるとそこにはあの男・・・神山星流がいた。

「なんだ。意外と早いじゃん。ってかお前。着替え持ってないわけ?」

私は自分の着ている服を見た。
これはひどいな・・・

吐いた後から血がついたままだ。

「ごめん。洋服持ってない。」

ここで私はあることに気付く。
吐いたんだから腕や顔にも血はついてるはず。

でも全然ついてない。

もしかして・・・寝てる間に拭いてくれた・・・?

「ねぇ。もしかして昨日、血拭いてくれたの?」

「別に。」

嘘。絶対拭いてくれたよね。
なんだ。意外と優しいのかも。

「ありがと。」

小さい声で私はつぶやいた。