~星流side~

気持ちよく寝てたら悲鳴のような声が聞こえた。
何だよ。まだ7時じゃん。

横をみると昨日道で倒れててたから拾って来たやつが
息を切らしながら起きあがっていた。

昨日、一応・・・血は拭いたが。
やっぱやばいな。こいつの服。

「すいません・・・ところで貴方は誰?ここは何処?」

まず礼ぐらい言えよ。
まぁいい。質問には・・・とりあえず適当に答えた。

少しして、俺はあることに気付く。
昨日拾ったといっても家に帰さずに誘拐するわけにはいかない。

だから

「お前、家どこ?」

そう聞いた。でも黙ったままだ。
まさかホームレス?
いや、ないな。

しかし、返ってきたのは同じような言葉だった。

「まぁ・・・いろいろあって今は家がないんです。」

ウソだろ?まじかよ。

「なら、ここに住めば?」

俺はびっくりした。
そんなことを言っている自分は初めてで。
でもなぜかここにいてほしいと思った。

それからしばらく話をしていたが、素っ気ない返事ばかり。
やっぱりかわいくねぇ・・・。

最後に、気になることが1つある。
体のあちこちにたくさんある傷・・・

「ところでお前のそのあっちこっちにある傷何?」

そう聞いた瞬間、あいつの顔が青白くなっていった。

「あんたに関係ないでしょ?」

こいつは・・・何か隠してる。
今は何も聞かないほうがよさそうだな。

「すげー変わりようだな。さっきまで敬語だったくせに。
 ま、いいや。まだ早いしもう少し寝てていいけど
 起きたら部屋から出てこいよ。
 仕事はたくさんあんだから。」

それだけ言って、俺はこの部屋から立ち去った。