中1 6月。


「あー…今回も終わったぁ…。」

私、木内愛華(きうち まなか)は
返ってきたテスト結果を見て重いため息をついた。

「愛華!ワーク落ちたよ。」

そう言って拾ってくれたのは小学校からの親友、里奈。

「里奈ー!!全然だめだったぁぁ!」
私は里奈に飛びついた。
「復習すればできるから!」
里奈は大人のように落ち着きがある。
しかも成績優秀、美人。
私とは比べものにならないよ…。

「席につけー、HR始めるぞ〜。」
担任が教室のドアを開けた。
私は急いで机に戻った。

「日直も一回りしたし席替えしてもいいかー?」
そういいながら黒板に担任は座席表をかいた。

こういう時楽しみなような、緊張するような気持ちになる。

男女別にくじをひき、机を移動させた。
私の席は窓側。
6月の風は気持ちよかった。

ガタッ。

横に机を置いたのは…。
「よろしく…。」
無愛想にそういった彼は学年トップクラスの秀才、大澤侑牙(おおさわ ゆうが)だった。

勉強教えてもらえるかも!?なんちゃって。

黒髪に色白、クールな顔立ち。
腕細くて女の子みたい。
無愛想だが頼りやすいと、男女から人気だ。


私はまだ話したことがないし、ただクラスメイトとしか思ってなかった。

だけどこの時から私の気持ちが変わっていく…。