「なに?」

「え!?」

返ってくるはずがない返事が返ってきて、びっくりした。

あたしはパッて後ろを振り向くと、赤尾くんは階段の1番上であたしを見下ろしていた。

「あ、あの…」

あたしは赤尾くんを直視できず目が泳いでばかり。

バックの中からチョコを取り出してあげる、

ただそれだけなんだから…。

早く動け、自分の手。

だけど、動いたのは自分の手ではなくて、口だった。