「あのさ、赤尾くんって、あたしのこと嫌い?」 今なら勇気をだして聞ける気がしたけど、赤尾くんは。 「………」 ずっと無言で、花火を見つめていた。 あたしは胸が痛かった。 どうせなら「嫌いだ」ってはっきりいってほしかった。 あたしは赤尾くんの横顔を盗み見ながら、目に溜まった涙を拭いた。 あたしは、赤尾くんにすごく嫌われてるみたい。 だけど、あたしは赤尾くんが好きだ――。