「あ、のさ……」 あたしはなにも言えないまま、沈黙が続く。 「えっと…、あの…」 話題を探そうとしても、話題が出てこない。 あたしは視界が歪んできた、そのときに。 大きな夜空に盛大な音を響かせながら大きな花火が輝いた。 あたしも赤尾くんも花火に目を奪われていた。 「きれー…」 「だな」 あ、今のって、あたし赤尾くんと話したかも。