オレンジ色の教室で





「せ、西南レベル高かったし…!やっぱやめておこうかなって…」



別に、普通だけど…




「…ふーん?」


少しニヤついた顔で私を見る咲を叩いた。





「勉強しないんだったら帰るよ?」


「…はいはい」



ふぅ…とため息をついた咲。





少しの間、教室に静寂が漂う。


咲がペンを動かす音も、響いてない。



お互い、少し俯いて、何かを考えているような感じ…


私は、何も考えていなかった。




ただ、少しだけ…さきほどの彼の、悲しそうな、寂しそうな笑顔の理由を考えていた。







「「あのっ…」」





見事に重なった2人の声。