彼の周りに優しく照らしてくるオレンジ色の光が、その彼の表情をより一層際立たせる。




「咲…「空、ここ教えて」



私の言葉を遮って、教科書を近づけてくる咲。



「うん」




優しい時間。


こんな時間が、一生続けばいい。






「…わかった?」


「ん、何となく」




そういいながらもスラスラと問題を解いていく咲。


私はそれを見て、少し安堵した。





「咲、そろそろ帰ろう?もう門が閉まっちゃうよ?」


「……もうちょっとだけ、待って」




真剣な表情で私を見た咲に、私はそれに従うしかなかった。