オレンジ色に染まっている教室には2人だけ。
まぁ、もう少しで下校時刻を回る。
なのにまだ勉強している咲を見て、少し心配になったから一緒に残っていた。
当の本人は気づいていなかったけど。
「咲、帰らないの?」
「んー…ここの問題解いてから…」
「…もう一夜漬けでいいんじゃない?」
明日からテスト。
だから咲は必死で勉強してる。
「俺家で出来ないんだよ、空知ってるだろ?俺がすぐに集中力なくなること」
「嫌ってほどね」
「だから学校で少しでもやろーって思ってんの」
「…なるほどー」
窓から入ってくる柔らかい光で、咲の色素の薄い髪が金髪に近い茶色に見える。
そして、彼の笑顔もまた、オレンジ色に見える。