「…ぁのー」

ん?
前から声が聞こえたから
顔を上げると、

ドクンッ

は?なんなんだ?
この胸のドキドキって
するのは…

目の前には
見た事ない女が立っていた。

ネクタイの色が同じだから
同級生だろう。

その女はとても綺麗…と言うより
可愛い…美少女って感じだ。

雪のような白い肌に
華奢な体。

漆黒のサラサラした長い髪に
大きな目にぷっくりとした唇。

まるで人形のようた。
今までこんな女を見た事がなぃ。

俺は女の大きな瞳に
吸い込まれそうだ…。

「…怪我してますょ?」

女が口を開いて
はっと我に返った。

『ほっときゃ治る。』

俺は口下手だ…
無愛想に答えた。

女は何か考えた後
ズカズカと俺の方に
歩みよってきた。

『…なに?』

「傷が残っちゃいますよ!」

そう言い、女はしゃがみ込んで
傷の所に絆創膏を貼ってくれた。