「そ、そんな。別に、そいうわけじゃっ・・・!」
母親は何か言い訳を言おうとしていた。
だが、少女はそれ何かで声を遮ってしまい、母親が「ひっ」と短く悲鳴を上げた。
母親の顔が一気に青ざめていき、少女から少しでも離れようと後ろへ後ろへと少女に背中を見せないように退いていった。
キラッと少女の手の方から何かが光った。
先が尖っており、新品のように光っている刃(は)。

そう、それは――――――ナイフだ。
「・・・ねえ?お母さん。少しでも悪いと思ってるなら、死んでくれるよね?私はね謝罪されて許す程優しくないの。憎い相手は殺したいの。あ、安心して?憎いと思っただけで直ぐは殺してないから・・・。とってもとっても憎いと思った人だけだよ?お母さん?」
少女はナイフを構えて、狂気じみた笑顔で母親に喋った。
先程まで泣いていた目には少し腫れているが、泣いてるとは思わせないほどの狂気じみた笑顔だった。