過剰反応であることは自分でもわかってる。


別に中学時代にひどい目にあっていたとかじゃあない。




何に対しても人一倍、わたしは臆病なのだ。


「上松?」


しばらく、どこを目指すでもなく歩いていると、山田に出くわした。


「どうした?」


震えているわたしを見て心配になったのか、山田はわたしの肩に手を置いて、顔を覗き込んだ。


「別に、何も。」


わたしはそっけなくその手を払いのけて、再び歩き出した。


「帰るのか?」


「はい。」


「気をつけて帰りなさい。」


いたわるような声に涙が滲んだ。


「はい。」


わたしは振り返って一礼した。