『ユウ太、俺の頭、なでていいよ。』


俺とヒロ人は幼なじみだから、あの時のこともヒロ人は知っている。


あの時も、どうしていいか分からなくてシクシク泣いていた俺に、ヒロ人は自分の頭をさしだした。


『ほら、俺の頭さわったら、落ち着くでしょ。』


『うん』


たぶん、ヒロ人は宇宙人だから、言葉をかけて慰めるようなことはしないのだ。


頭から直接発信される優しさに触れて、俺はあの日さらに泣いた。