「ユウ太ぁ」

顔は無表情のくせに、情けない声で俺を呼ぶ。


「はぁ。」

俺はため息を一つつくと、


「ヒロ人、しゃがんで。」


と頼みごとをした。


「う、うん。」


ヒロ人は素直にしゃがんで、地面に体育座りをする。


俺はにっこりして、ヒロ人の頭をいいこいいこした。

「あー、やっぱり落ち着くなぁ。」

俺は昔から、何故かヒロ人の頭をなでると、気分が落ち着く。


犬みたいな手触りだ。


宇宙人とはいえ、ヒロ人の頭皮はぬめっとはしてない。


柔らかな髪の毛の感触は俺の精神安定剤なのだった。