放課後、俺とヒロ人は連れ立って、学校の近所にある本屋へ立ち寄った。
けっこう規模の大きな店で、むかつくことに、上の方の棚には手が届かない。
昔ドラマでやっていた話の原作があって、俺が手に取ろうとうんしょうんしょやっていたら、梅弦之丞の詩集を手にいれてホクホクのヒロ人が
「ほれ」
とあっさり手に取って渡してくれた。
「……ありがとう」
…屈辱だ。俺より阿呆のくせに。
俺が敗北感にうち震えていると、ヒロ人が、
「なぁ、あれって明橋じゃない?」
と2人組の女子高生を指差した。
「本当だ。めずらしい。」
明橋女学館は俺たちの学校にいちばん近い学校だけれど、その黒い制服を目撃することは滅多にない。
なぜなら、あそこは俺たち庶民のもやし共が一生かけてもお近づきになれないお嬢様たちの通う花園だからだ。
お嬢様たちも外出歩いたりするんだな。
そんなことに感心していると、なぜかヒロ人が美形な変態顏を歪ませて、
「あの子ユウ太より小さいぞ。」
と言った。
そしてぼそりと呟く。
「ちっ、悔しいぜ。」
「何が悔しい、なぜ貴様が悔しがる、なぜ貴様が張り合う、なぜ…」
と詰問を並べていたら、
「ユウ太、キャラ変わってるぞ~」
とゆるゆるツッコまれた。
けっこう規模の大きな店で、むかつくことに、上の方の棚には手が届かない。
昔ドラマでやっていた話の原作があって、俺が手に取ろうとうんしょうんしょやっていたら、梅弦之丞の詩集を手にいれてホクホクのヒロ人が
「ほれ」
とあっさり手に取って渡してくれた。
「……ありがとう」
…屈辱だ。俺より阿呆のくせに。
俺が敗北感にうち震えていると、ヒロ人が、
「なぁ、あれって明橋じゃない?」
と2人組の女子高生を指差した。
「本当だ。めずらしい。」
明橋女学館は俺たちの学校にいちばん近い学校だけれど、その黒い制服を目撃することは滅多にない。
なぜなら、あそこは俺たち庶民のもやし共が一生かけてもお近づきになれないお嬢様たちの通う花園だからだ。
お嬢様たちも外出歩いたりするんだな。
そんなことに感心していると、なぜかヒロ人が美形な変態顏を歪ませて、
「あの子ユウ太より小さいぞ。」
と言った。
そしてぼそりと呟く。
「ちっ、悔しいぜ。」
「何が悔しい、なぜ貴様が悔しがる、なぜ貴様が張り合う、なぜ…」
と詰問を並べていたら、
「ユウ太、キャラ変わってるぞ~」
とゆるゆるツッコまれた。


