「でも、楽しみだなぁ。」


わたしの心はわくわくしていた。


美少年‼というのもあるけれど、同じ年代の子ども四人で出かけるというのがわたしにとってはなかなかに未知の体験だった。


寂しいやつだと思われるかもしれない。


その通り。わたしはアユ芽ちゃんに出会うまではけっこう寂しいやつだった。



「ミミコォ~、風呂はいれ~」


お父さんが湯気をあげて風呂場から出てきた。


手に何やらくどい柄の布っきれを持っている。


お父さんはふぁーっとあくびをするとそれをゴミ箱に捨てた。


「何?いま捨てたもの。」


「んあ?パンツだよ。穴空いてた。」


あっ、そう。









重ねて言うが、わたしの家は金持ちじゃない。

でもまぁ、
パンツは穴があくまではくが、その穴をつくろわずにポイッと捨てれるくらいには我が家の家計は潤っている。