「ところで……」


わたしはにっこり微笑んで首を傾けた。


ユウ太くんの頬がぴくっとひきつった。


なぜ、引くのだ。天使の微笑みだぞ、今のは。

ただし、アユ芽ちゃん承認。


「ユウ太くんと一緒にいたあの子、今日は一緒じゃないんだね。」


「あー、ヒロ人ね。」


ユウ太くんがふっと笑った。


「今宇宙の仲間と交信してるんだよ。」


へっ?


わたしは一瞬自分の耳を疑った。

いきなり電波なことを言われてどう反応していいか分からなかった。


大人びた空気を発していたユウ太くんはわたしの困惑に気づくと、両手をブンブン振り回した。


ハードボイルドな雰囲気が吹き飛ぶ。

これ、昨日もやってたな。癖なんだろうか。


「あいつは諸事情あっていないんだ。」


いつもはどこにでもついてくるけど。


とユウ太くんはぼそりと付け加えた。


「仲良いんだね。」


それは良いこと聞いたとわたしは愛想良く返事を返した。


つまり、アユ芽ちゃんを餌にするにしろ、この可愛らしい少年に取りいれば美少年の存在が近くなるという訳だ。