「さっ、行くぞ、ちびっ子。」


「高校生の生徒をちびっ子扱いするなんて、間違っていると思いますよ。」


わたしがわめく前に戸波先生がピシャリと言った。


しかし、人の目を見て話す戸波先生には珍しく、その間もコピー機の方を向いていた。

「あ、そうですね。すいません。」

ざまぁみろ~


わたしは心の中で歓喜した。


へへ~んだ。怒られた~。


声に出さずに叫びまくっていたせいで、わたしは2人の間に流れる異様な空気に気づかなかった。





「失礼しましたぁ。」


教材室を出ると、わたしは得意になって山田を見上げた。

さぁ、これでもうちびっ子とは呼ばんだろう。

「行くか。チビスケ。」

………。