ショッピングモールの空き店舗であってから次の日曜日、わたしとユウ太くんは遊ぶ約束をした。


といっても、待ち合わせ場所はあの本屋。


けれど、もしかしたら『初デート』と呼べるものかもしれないから、わたしは精一杯可愛い格好をしていった。


ユウ太くんはわたしより早く来ていて、わたしの顔をみるやいなや訳のわからないことを言い出した。


「ねぇ、ミミ子ちゃんって、一匹狼だったの?」


………


「ねぇ、ユウ太くん」


「うん」


「わたしたち、一応こないだ会ったときに付き合うことにしたんだよね」


「あ、うん」


ユウ太くんのほっぺが赤く染まる。


……かわいくない。


「それで開口一番が一匹狼だったの?って軽く傷つきます。」


………


「ごめんっ‼」


反応が遅い。わたしはぷくぅと頬を膨らませて明後日の方向を向いた。


「ごめんっ、ミミ子ちゃんっ、ほんとごめんっ‼傷つかないでっ」


やっぱり、かわいい。


「ウソ、傷ついてないです。まぁ、ちょっとむってしたけど。」