ユウ太くんと道を別れるとき、わたしはふっと気になって尋ねた。


「もう、山田とは一緒に暮らしてるの?」


「あ、うん」


ユウ太くんは少し後ろめたげにわたしから目をそらした。


「お父さんがね、俺と母さんの家に引っ越してきた。ほんとは、前に三人で住んでた家に行きたいけど、もう人のものだから。」


「そっかぁ」


わたしはくるりとまわって、


「バイバイ」


とユウ太くんに手をふった。


「うん、またね。」


ユウ太くんもわたしに手をふる。


またね、かぁ。


わたしはユウ太くんに背を向け、歩きだしながら、思わず頬を緩めた。


またね、また会える約束。


こんなにも、幸せな言葉だなんて知らなかった。