「かわゆぅいぃいぃ~~‼‼」


体が動いたときには、すでにアユ芽ちゃんが少年に抱きついたあとだった。


「ぎゃあっ、ごめんなさいっ、ごめんなさいっ‼‼」


わたしはマヌケな声で謝った。



(何故わたくしが謝らねばならんのだ。)



「いや、いいんです。そんな、気にしないんで。」


(気にしろやっ‼)


「カッ‼」


アユ芽ちゃんが変態顏で叫んだ。


(なんじゃ、そりゃ⁉)


さすがのわたしにも意味がわからん。


しかし、さすがいきなり知らん奴に抱きつかれても気にせん奴だ。


多少は引いたっぽいがちびっ子少年は何やらデレデレした顔をしていた。



美少女の効能は変態のオーラを上回ると言うことだろうか。


いや、わたしはこの少年が変態ならぬ変人である可能性に一票。



わたしはアユ芽ちゃんを本屋から引きづりだした後、一人歩きながら(アユ芽ちゃんは置いてきました。)勝手に一票を投じた。



だってすんごいでれっとしてたんだもん。


……


…そういえば、ちびっ子と一緒にいた少年、かっこよかったなぁ。


クールビューティーっていうのかなぁ。