ユウ太くんに抱きしめられてる。


ユウ太くんの前では、泣いてばっかだなってぼんやり思った。


今日はユウ太くんに会ってからずっと感情を押し殺していた。


泣きそうになるのをずっと堪えて、ユウ太くんを山田のもとに連れてった。


我ながらアホだな、と思う。


でも、しょうがない。


自分の中で一番納得のいく諦め方をしたかった。


ユウ太くんにはバレバレだったのかもしれない。


わたしが感情押し殺してたこと。


その証拠に、ユウ太くんは追いかけてきてくれた。


山田とはちゃんと話し出来たんだろうか。


「ねぇ、ユウ太くん。」


わたしはユウ太くんの肩に顔をうずめながら尋ねた。


「山田とは、ちゃんと話しできた?」


「あ…うん」


ユウ太くんがくすっと笑いをもらす。


「できたといえば、できたかなぁ。」


そっか。


「山田話したの?戸波先生にプロポーズし直すこと。」


「…うん。」


わたしが山田のこと好きなのは完全にばれてる。


だからなのか、ユウ太くんはもうしわけなさそうに小さくうなづいた。