「ユウ太っ」


廊下に飛び出した俺を、お父さんが呼び止める。


「何っ」


急かすように足踏みしながら、俺は大声で返した。


お父さんはしばらくためらうと、決心したように言った。


「お前のお母さんにプロポーズしてもいいか」


俺は足踏みをやめて、お父さんをじっと見つめた。


お父さんも、俺の目を見つめ返す。


俺はにっと笑って言った。


「好きにすれば?」


口を開きかけるお父さんをおいて、俺は駆け出した。