「ほら、行くぞ。ユウ太。」


あっけに取られている俺をヒロ人はグイッと引っ張った。


「え~、でも。」


まだ、美少女見てたいんだけどな。


学校内では潤いを得られないというのに何故こいつはこんなに無頓着なのだろう。

「でもじゃありません。行きますよ。」


お前は俺の母ちゃんか。


イケメン母ちゃんは容赦なく俺を引きずりだした。


あっちの方ではヒロ人など比較にならない豪腕っぷりで、ちびっ子が美少女を引きずっている。


ちびっ子と目があった。


……睨まれた気がする。



「あぁ~~うぅミミ子のおたんこぉ~」



美少女が最後の雄叫びを残して俺の前から消えた。


しゅーっと引きずる音はまだ店内に残っていた。



かくして俺と美少女は、イケメンとちびっ子によって運命の出逢いから5分足らずで引き離されたのだった。