翔から告げられたのは、あまりにも衝撃的すぎる内容だった。



「…えっ………」



返す言葉が見つからない。




翔はぎゅっとあたしの手を握って、ゆっくりと続けた。





「ここの屋敷のメイドは、小川以外全員、霧沢学園の生徒だった。俺と雫は幼馴染でもあった」


「うん……」


「俺と雫が付き合い始めたって知ったら、あいつら全員、雫に嫌がらせするようになったんだ」


「え……雫さんを?」




翔は苦しそうに眉を顰めた。


翔のこんな表情、見たことない………




翔はあたしの手をさらにぎゅっと握って、あたしを見つめた。


まるで「大丈夫?」って心配するみたいに。




あたしは唇を噛み締めて頷いた。





「俺が、いくらあいつらにやめろって言ってもあいつらやめねぇんだよ。雫も最初は、大丈夫、って言ってたけど、徐々に辛い顔し始めた」