「まひるちゃん!」 「あ、紗羅ちゃ、ん……」 忘れていた。 ものすごく大事なことを。 「私、今から行ってくるね!」 「え……」 素直に頷けないあたし。 紗羅ちゃんは、そんなあたしにはお構いなしに小走りで部屋を出て行った。 なんだか、目の前が真っ暗になった気がした。 それから30分たっても紗羅ちゃんが帰ってこないので、あたしの胸はばくばくとなり出す。 いてもたってもいられなくなって、あたしは翔の部屋に走った。