「な、なんかないの? なんか」 「………」 翔は少し考える仕草をして、すぐににやりと妖艶に微笑みながらあたしに近づいた。 「なっ、なんかあった?」 どんどん縮まっていく距離に少し動揺しながらも、なんとか平静を装って尋ねた。 「うん。………まひるが、欲しい」 「なっ…!」 額をこつんとつけて、さらに続ける。 「まひるさえいたら、もういいかな」 「ふっ、ふざけないでよ……!」 あたしは翔の胸を強く押して、その場から走り去った。