霧沢統さんはにっこりと笑ったあと、あたしに視線を向けた。



「徹のお子さんか。安心だな」



徹(とおる)とは、あたしのお父さん。


統さんと、一体どんな間柄だったの…?



「お母さん、統さんとお父さんは、どんな関係だったの?」



隣に立っているお母さんにこっそり尋ねる。




「お父さんと統さんは、大学時代の同級生よ」




へぇー、そうだったんだ。





「では、私は仕事場に戻らせて頂きます」


「えっ?」


「はい、まひるさんは大切にお預かりします。どうぞご安心を」


「えっ?!」




プチパニックに陥っているあたしにはお構いなしに、話はどんどん進んでしまっている。




「頑張るのよ、まひる」




状況を理解できないまま、お母さんは部屋を出て行ってしまった。





嘘でしょ、お母さん!!





あたしはこれから、一体どうすればいいの?!?!