ひっそり死にたくて路地裏に入ったら本当に運が悪くて、目の前では喧嘩の真っ最中だった。


地面には4、5人倒れてて、気絶してるのか死んでるのかわからない人を殴り続ける1人の男。


そんな場面に遭遇しても、私は何とも思わなかった。


男が私に気付いて殴るのを止めたと思ったら、手に持ってた男を地面に捨ててこっちに歩いてきた。


「何やってんだ、お前」


波「それ、死んでんの?」


「しらね。ってか怖くねーのかよ。」


波「怖い?どこが。」


そう言って立ち去ろうとした時、男に腕を掴まれた。


波「何かよう?」


「死ぬのか?」


意味不明にも男はこう聞いた。


見知らずの通りすがりの女に「死ぬのか?」って聞く奴は初めてみた。


波「さぁね。」


「よし、拉致だ拉致!帰るぞ。」


波「離して!!」


「騒ぐなよ。うるせぇな。」


波「っ!」


あの男と同じ発言に黙るしかなかった。