泣き止んだあいつは墓に向かって何か喋ってる。けど聞こえねぇ。


あ、笑ってやがる。


「…隼人のせいだ。」


そう呟いたあいつは一度墓に触れて去っていった。


隼人?


ふと思った。


いつも強気なのも、その隼人って奴の所為か?


あいつにはさっきみたいに弱音吐いたり、泣き腫らしたり出来るのは隼人って奴の前でだけか?


あんな笑顔に出来る奴…あいつ隼人って奴に惚れてんのか?


でもここは墓。


っつーことは、隼人って奴は死んだってことか?


來「…いきなりすぎんだろ。」


少し、ほんの少しだけあいつのことがわかった気がした。


そして、あぁ、俺あいつが好きなんだ。


そう実感した。



來綺side-END-