來綺side
久々にここに来た。
現状報告と墓参り。
來「俺気になる女できた。猫みたいな奴でさ。強気な女。あんたとは違って真っ直ぐな女だ。あいつらも元気にしてっから。じゃまた来る。」
そう言って立ち上がった時、4列ほど前に人がいるのが見えた。
珍しいな、この時期に人なんか。
でもちょっと後ろ姿あいつに似てるかも。
そう思ってちょっとだけ近づいてみた。
真後ろの墓の後ろに隠れてみたけど…まじで気づかねーのな。
「――もう誰も…もう誰も傷付けたくないの…。もう誰も失いたくない…。」
間違いなくあいつだ。
傷付けたくない?失いたくない?
いつもの強気な姿なんか1ミリもなくて、“脆い”ただそう思った。
お前何抱えてんだよ?
そんな、今にも消えそうな面して…。
ガキみたいに泣いて。
何抱えてんだよ…。

