だから歩夢さんと愛都さんの確率は十分にある。
だけど、何で今更?
それがわからない。
黒蝶に恨みを持ってる人は沢山いると思う。
でも、俺は歩夢さんと愛都さんだとしか思えない。
波「歩夢と愛都かぁ…。懐かしい名前だね!」
うちの総長は呑気な人だ。
本当は誰よりも歩夢さんと愛都さんを恨んでるはずなのに。
でも、それ以上に優しいから、許しちゃうんだろうな。
波「ちょっと行ってくる。」
何か不安や溜め込んだ時や悲しい時は必ず隼人さんのお墓に行くハル。
決して“どこ”とは言わないけど、ここにいる全員が知ってること。
何も言わないから、ただ、
和「行っておいで。」
としか言えない。
多分ハルは今、自分の中の黒い部分と戦ってるから。
それを取り除けるのは、隼人さん。
あなただけだ。
俺達はハルを守ります。ハルを支えます。
でも、ハルが求めているのはあなただから。
ハルには笑っててほしいから。もう、あんなこと起きてはいけないんだ。
幹部部屋の扉が閉まる音と同時に、あの日と同じ約束を自分にした。
和希side-END-

