いや、探せばわんさか出てくるだろう。


南を操れる人物なんて。


最近恨みをかうようなことしたっけ?


いやいやいや、黒蝶に恨みをもってる奴なんて南を操れる奴よりわんさかいるでしょ。


波「下の子達に重傷負ってる子とかいない?」


和「それは大丈夫だよ。」


秋「負ってても擦り傷程度だろ!」


波「ならよかった。」


でも本当に誰だろう…


嫌な予感しかしない…


二年前のあの日みたいな。


胸の中に黒い霧がかかったような。


心臓を握りつぶされるような。


頭の中にはあの日の映像が次々と流れてる。


たとえ二年前と同じようなことになっても、もう誰も死なせない。


あの時みたいに弱い私じゃない。


大切なものは自分で守れるだけの強さを手に入れたつもりだ。


和「歩夢さんと愛都さん…」


秋「は…?」


カズの呟きにも似た一言で、不安は余計に強まった。