宝物〜絆〜

「いや、趣味でやる分には良いけど、パチンコじゃ生活してけねえだろ」

 秀人は呆れたような表情で突っ込む。

 その突っ込みに鏡司が返事をする前に、突然バカ西が笑い出した。

「ハハハ。お前ら面白えな。なんか俺の我が儘で、みんなをやり合わせたりしてマジで悪かった」

 笑い出したと思ったら、急にしんみりして謝るバカ西。

 突然どうしたんだろうか?

 向いている方からすると、この場に居る全員に謝っているように見える。

「お前、何いきなり謝ってんの? つか、さっきも謝ったんだし、もう良いんじゃね?」

 大樹は驚いたような表情で突っ込んだ。

 秀人もバカ西を見て一瞬驚いたような表情をしたが、すぐに柔らかく微笑んで口を開く。

「そうそ。もう良いじゃん。過ぎた事は気にすんな」

 秀人は煙草の灰を灰皿に落とした。

「いや、秀人には特に酷え事しちまって……。本当に許してくれんのか?」

 バカ西は暗い表情で呟くように言う。

「別に気にしてねえから良いよ。だいたい許してなきゃ、ここに来てねえし」

 秀人は微妙に苦笑しながら答えた。

 すると鏡司が秀人からバカ西に視線を移して口を挟む。

「お前さ、場を盛り下げるような事、言うなよな。みんなお前の事許したからここに居んじゃん。ただ単に酒が飲みてえだけで来てるとでも思った訳? 秀人も言ってっけど、お前の事恨んでるような奴は、こんな飲み会なんかにゃ参加しねえよ」

 鏡司はため息混じりに呟いた。

 なんか鏡司の口からこんな台詞が出るとは意外だな。

 つか、まだみんな打ち解けてない時にバカキャラ演じてんのも、こうやって安心させるような台詞言うのも、鏡司なりに気遣っているからかもしれない。そう考えると、こいつも結構細かい気遣いをする奴なんだな。