宝物〜絆〜

「何が勤勉家だ、このバカ。勉強なんて全然やってなかっただろ。ったく。居るんだよな、こういう奴。勉強は出来る、喧嘩は強え、運動神経も良い、んでおまけに人望も厚いとかいう、天性の才能を独り占めしたような非の打ち所のねえ奴。何気にルックスも良いだろ。これで頭が良けりゃ、言うことねえんだけどな。こいつ、なんだかんだでモテるんだよ」

 大樹はため息混じりに呟いた。

 なんか褒めてんのか、けなしてんのか分かんねえ言い方だけど、要するに鏡司は凄え奴だって言いたいんだろう。

 つか、大樹も似たようなもんだと思うんだけどな。勉強が出来るかどうかは知らねえけど、喧嘩は強えし、運動神経が良くなきゃ、あんだけ強くはなれねえだろ。人望があるから、今こうなってんだろうし、見た目もそこそこだと思うんだけどな。

 こうやって考えると秀人も当て嵌まるけど、こいつらと居ると私だけ浮いてねえか? 私だけ凡人って感じがすんだけど。

「ハハ。んじゃ、本当に北高なんだ。つか北高なら、名医かどうかは別として、医者にはなれんじゃね? まあ、なるつもりならだけど」

 秀人は苦笑しながら質問を重ねる。

「無理。俺パチプロんなる事にしたから」

 鏡司は再び真顔で寝ぼけた事を言い放った。

 鏡司のボケっぷりも、ここまでくると気持ちが良いな。