宝物〜絆〜

「そういや鏡司って、どこの高校行ってんの?」

 秀人は手に持っていた箸を置いて煙草に火をつけた。

 考えてみれば鏡司の高校が話題に出た事って無かったな。

「北高」

 鏡司は至って真顔で答える。

 これはお得意のボケだろうか? 北高と言えば、県内でもトップクラスに入る頭の良い高校だ。

 仮に鏡司の頭が良いとしても、内申で落とされるだろう。

 尤も、中学時代の鏡司がどんなんだったか知らねえから、一概には言えないけど。ただ、さっき疾風が『中学ん時から有名だった』とか言ってた訳だから、やっぱ無理がある気がする。

「いや、鏡司が北高って……。内申とかあるし無理じゃね?」

 秀人も同じ事を思ったのか、疑問形で返す。

 すると大樹が鏡司の肩を叩きながら口を挟んだ。

「こいつ結構、頭良いんだよな。んで、素行の悪さは要領の良さでカバー」

 大樹は悪戯な笑みを浮かべて鏡司を見る。

「ってえなあ。素行がわりぃのはお前だけだよ。俺は生き字引とまで言われる勤勉家だからよ」

 鏡司は大樹の手を退かしながら答えた。

 大樹が突っ込まないところを見ると、勤勉家かどうかは別として北高というのは本当らしい。かなり意外な事実だ。

 私も実は偏差値は良い方だったりするけど、教師受けが悪くて内申が悪かった。鏡司は本当に要領が良いだけで内申も良かったのか?

 なんかマジでミステリアスな奴だな。