宝物〜絆〜

 本当その通りだな。現にさっきも危なかった。

 バカ西は、その場のノリで言っただけかもしれない。でも仮に本当にヤられてたら、私にとっては冗談で終わる話じゃねえし。

 秀人にはマジで助けられたな。本当に感謝してる。もちろん大樹や鏡司にも。

 守ってもらうだけなんて嫌だけど。それでも、今回ばかりは自分一人じゃどうしようもなかった。みんなが居てくれて良かったな。

 そんな事を考えていたら、不意に視界に入った秀人の綺麗な瞳に思わず見とれてしまった。

 しかしすぐに疾風の声で現実に引き戻される。

「確かに無茶する人だよな。俺ら全部で十二人も居たのに怯まねえし、逃げるどころかやる気だし。つか、美咲さんは何でそんなに強えの? 女であんな強えって凄えよな」

 疾風は私の方を見ながら首を傾げた。

 何でって……、そんな事聞かれるとは思ってなかったな。

 まあ敢えて言うなら、あいつが原因だろうけど。

「秀人に鍛えられたからな」

 直接の要因は秀人じゃないにしろ、今ここで詳しい話をするのは憚られたから、何となくごまかしてしまう私。

「何が俺に鍛えられただ。鍛えられたのは俺の方だっつーの。こいつガキの頃から強かったからな」

 秀人は悪戯な笑みを浮かべてこっちを見ている。

 なんだかんだで隠してきた過去の出来事も、結局、秀人には全部話してしまった。内容を知っているからこそ、焦点をぼかして軽く話題をすり替えようとしてくれてるんだろう。