宝物〜絆〜

 流れで近くに座る私たちも自己紹介をしたところで、茶髪の男――改め疾風が口を開いた。

「つか、秀人くんって学校どこ? 見た感じ鏡司くんや大樹くんと肩並べるくらい強えのに、聞いた事ねえんだよな。俺ら一応、有名どころは知ってるはずなんだけど。あんだけ喧嘩慣れしてて強えのに全く聞いた事ねえの、マジ不思議だわ」

 疾風は不思議そうな表情で秀人を見ている。

「ああ、俺、最近こっち越してきたばっかなんだよ。つか小五ん時までこっちに居たから、戻って来たっつった方が正しいな」

 神奈川の学校名を言っても通じないと判断したのか、秀人は引っ越して来たばかりだということだけを告げた。

 するとピアスの男――晋哉が納得したように秀人を見ながら口を挟む。

「だから聞いたことねえんだな。それより俺は、何でそんなに強えのに先週あいつらにやられたのかの方が気になんだけど。現に、今日はあいつら全く相手んなってねえし」

 晋哉はチラッと五人組の方を見た。

 その疑問に秀人は一瞬口ごもったが、私を見て悪戯に微笑むと、冗談っぽい軽いノリで口を開く。

「先週は喧嘩するつもりで行った訳じゃねえから。こいつが俺らに黙って自分だけ犠牲になろうとしてたから、先に俺が行ったんだよ。俺なら痛えだけで済むけど、女はそれだけじゃ済まねえかもしんねえし。こいつ、見張ってねえとすぐ無茶すんだよな」

 秀人は私の頭をクシャッと撫でた。