宝物〜絆〜

 すると再び大樹が口を挟んでくる。

「んじゃ言わせてもらうけどよ。普通の女だったら、ああいう時は逃げるもんだろ。こっちは必死でお前の事逃がそうとしてんのに。本当、お前は生粋の戦闘民族だよな」

 大樹は苦笑しながら呟いた。

「だよな。つか、あの人数見りゃ男でも逃げる奴の方が多いんじゃね? 下手すりゃ彼女連れの男が彼女置いて逃げるとか、そんなレベルだろ」

 秀人はウンウンと頷いて同意する。

「女だからってナメられたくねえし。つか秀人、お前は私を置いて逃げんのか?」

 私は、付き合ってる訳でもないのに秀人と二人で居る時に遭遇したシーンを想像してしまい、余分な一言を付け加えてしまった。

 聞かなくても答えは分かってんのにな。秀人が逃げる訳ねえし。

「お前置いて逃げる訳ねえだろ」

 秀人は言いながら私の頭に軽く手を添える。

 素で答えてくれたのは嬉しいけど、冷静に考えりゃ、私かなり爆弾発言してね? マジで恥ずかしいんだけど。

「はいはい。なんか鏡司はサラッと告ってるし、二人は自分たちの世界に入り込んでるし、やってらんねえな。ったく」

 大樹は呆れ顔で小さくため息をついた。