宝物〜絆〜

 それから私たちは、家の場所を知っている大樹が引率して、十台の単車でバカ西の家に向かった。

 バカ西の家はコンビニから数百メートルの距離で、一本裏に入ったら直線で到着した。

 眼前には広大な敷地面積を誇る建物が聳え立っている。

 つか、何だこのデカさは?

 金持ちだとは聞いてたけど、こんな市街地に建ってるんだから、さすがにここまでデカいとは思ってなかった。

 普通の家の二倍はある高い塀は、外界との繋がりを完全にシャットアウトしているようにさえ見える。

 そんな事を考えていると、門の横にある、車が通れそうな程の片開きの扉が静かに開いた。

 一瞬、何事かと思ったが、よく見るとバカ西が手に持った何かをそっちに向けていたから、恐らくそれで開けたんだという事が分かった。

 扉が完全に開くと同時に、大樹が先頭を切って入っていく。

 それに皆が続々と続いた。

 敷地内は外から見るより広く、建物までの空間には、噴水があったりミロのヴィーナスの石像があったりと、日本の一般住宅とは思えない物が多々あった。

 そんなだだっ広い庭を通過して大樹が建物脇の駐車スペースに単車を停めると、他の奴らも同じように単車を停車させる。

 単車から降りている時、誰かが「何、ここがお前ん家?」と言っているのが聞こえてきた。バカ西んちに来たんだから当たり前なのだが、思わず聞いてしまう気持ちは分かる。