宝物〜絆〜

 大樹からの最後の警告。果たしてバカ西の心には届いたのだろうか?

 当のバカ西は何やら考え込んでいるように見える。

 それから少し間を置いてバカ西が口を開いた。

「本当は……本当はもう、こんな事する気なかったんだよ」

 バカ西はチラッと大樹を見てから言葉を続ける。

「久しぶりに学校行ったら、お前ら仲良さそうに話してんじゃん。俺、今まで心から気が許せるツレって大樹しか居なかったからさ。突然、大樹が遠い人になったみてえに感じて。なんか居場所ねえなとか思って見てたら、ふと魔がさしたっつーか」

 バカ西は内心を吐露するようにポツリポツリと言葉を紡ぐ。

「いざ動き出したら、お前らがお互い信頼しあってるのとか、堅い絆で結ばれてるみてえな感じを目の当たりにする事んなって、余計に羨ましくなってきたんだよな。そんで、それを壊したくなったっつーか……。なんかやればやるほど、どんどん引っ込みがつかなくなってったんだよ」

 バカ西は、そこまで言うとバツが悪そうにして再び黙り込んだ。

 こいつの言葉を纏めると、うちらに対する単純な嫉妬心みてえなもんがきっかけだったって言いてえんだよな、きっと。

 そんだけ大樹が特別な存在だったんだろうけど、逆にそんな大樹まで標的にすんのは、やっぱ私には理解出来ねえな。

 まあ、考え方は人それぞれだけど。

 お気に入りの玩具をとられた子供が、腹いせにその玩具を壊そうとするみてえな感覚か?

 何にしろ、これでバカ西の本音が分かった訳だ。