宝物〜絆〜

 私はバカ西が早まった結論を出す前に、秀人の言葉を補足する。

「お前がこの後どうしたいのか、どうすりゃ納得出来んのか全然分かんねえけどさ。とりあえず大樹とは和解するべきなんじゃね? お前も本当はそれを望んでるんだろ? 大樹は損得勘定抜きでお前の事を気にかけてくれる、形だけじゃない本物のツレなんだから、もっと大切にしろよな」

 私は、恐らくバカ西の本音であろう部分に語りかけた。

 すると大樹がごまかすように笑いながら口を開く。

「ハハ。お前ら誇張しすぎ。俺はそんな奴じゃねえよ。まあ、それは置いといて……」

 大樹は言葉を区切ると、バカ西に向き直って続けた。

「晃、俺は心配してるってより、またお前の悪いビョーキが始まったなって思ってたんだよな。そんで……。まあ、今からする話は前から言ってる事もあるし、さっき言った事とも微妙に被るけど、俺からこの話すんのはこれで最後にするから、一回よく考えろよ」

 大樹は、そう前ふりをしてから続きを話し始める。

「お前は今まで、気に入らねえ事があるとすぐに追い込みかけるとかしてたけど、世の中全部自分の思い通りになるなんて大間違いだぞ。納得いかねえ事の方が多いし、どんなに仲が良いツレとだって意見が食い違えば喧嘩になる事もあるしな。その度に今みてえな事やってたら、収集つかねえだろ。お前はもうちょっと我慢する事を覚えろよ」

 そう言ってバカ西を見る大樹の表情は相変わらず穏やかだった。